
「パブリッシング」という言葉を
《公(パブリック)にする》という広い意味で捉え、
副産物ラボの研究から生み出されるさまざまな作品=仕事(ワーク)を
さまざまなかたちで世に送り出します
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《影響(influence)》という誰もが日常的に用いながら捉えどころのない概念と、
《墓》という誰もが遅かれ早かれ関わらざるを得ない人工物——
その絡み合いをめぐり二年間にわたって繰り広げられた
実験的かつ横断的な研究プロジェクトの成果を上演=提示(プレゼント)します。
出発点となるのは《影響》を通常の因果とは真逆の原理をもつ作用として定義し、
送り手の意図に回収しきれない副産物的な変化と結びつける視座です。
この理論的「レンズ」を介したとき、墓は、死者のための静的な施設ではなく、
不在となった存在者の「存在の事実」を未来の生者へと畳み込み、
時間を超えて作用を及ぼし続ける動的な装置として浮かび上がります。
そこでは、過去から未来に至る直線的な時間ではなく、
未来の受け手の側の変化から過去の作用が事後的に立ち上がる逆向きの回路が前景化されます。
本書はまた、東京大学駒場キャンパスを拠点とする「副産物ラボ」という
風変わりな研究プラットフォームの活動記録でもあります。
他者との協働によって否応なく生じる副産物を観察するための実験室として構想されたラボでは、
来る者を拒まず、去る者を追わず、研究対象を固定しないという方針のもと、
多様な専門や背景をもつ参加者が集まり、
《影響》を仮の焦点として共同研究を展開してきました。
内容は「両墓制」をモデルに、実際の墓制・葬送・身体実践を扱う《埋め墓》パートと、
メディア環境やヴァーチャル空間における墓・死者・記憶の再生を扱う《詣り墓》パートの二部に分かれます。
そこに、学術論文、セミナー記録、対談、戯曲的断章、個人的エッセイが織り込まれ、
論述と証言、理論と制作、アーカイブと上演が互いを参照し合うポータル構造が張り巡らされます。
哲学、考古学、人類学、メディア論、宗教学、キュレーション、パフォーマンスなど
多岐にわたる専門家に、音楽家、霊媒師、住職、翻訳者らも加わり、
それぞれの立場から墓と影響の関係を語っていきます。
死と記憶をめぐる文化研究を装いつつ、
対象に巻き込まれながら思考と実践の回路を組み替える方法論の実験書としても振る舞う本です。
読書を通して照らし出されるのは、死者についての知識ではなく、
死者を含む他者から影響を受け、与え合いながら関係の網を編み続ける、
あなた自身の存在様式かもしれません。


本書はふた通りの仕方で入手することができます:
1、副産物ラボからの〈プレゼント〉
2、すでに入手している人からの〈プレゼント〉
1を希望される方は、下のフォームから
理由を書いたメッセージを添えて連絡してください。
お手元に同じ本が二冊届いた場合は、
余った一冊をこのような作品に関心がありそうな方に
プレゼントしていただけると幸いです。
読者、研究者、書店、出版社の方で
入手したい作品、相談したい企画など
ありましたら、お気軽にご連絡ください。
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